籐七原湿地から衣笠山桟敷岩湧水湿地ツーリズム

衣笠山からの展望 愛知の山、自然

文化の日。シデコブシの自生地、田原市藤七原湿地を訪ねてみました。休日で少しは人出があるかと思いましたが秋の藤七原湿地を訪れる人はまばらで静かな散策となりました。 

2億年前の海を旅する

道の駅田原めっくんはうすで身支度を整えてから藤七原湿地へ向かいます。早春のシデコブシで有名な藤七原湿地ですが、花の開花前でも楽しみどころはたくさんあります。藤七原湿地の入り口まで車で入れます。トイレ施設はありません。

藤七原湿地入り口

藤七原湿地入り口

入り口前の案内板に湿地内で見られる岩石チャートの説明があります。2億年前の放散虫が起源ということは、ざくざくとした岩くずを踏んで歩けば2億年前の海の底をハイキングしているのと同じですね。放散虫といえば太古の昔から生き残っていて海洋に無数にいる美しくも奇っ怪な原生生物。そんな放散虫のおかげでこの景観が楽しめるというわけです。

籐七原湿地案内板

籐七原湿地案内板

植物群落の絵図を参照しながらロープの張られた遊歩道を進みます。

遊歩道

遊歩道

足元には放散虫のチャート、湧水湿地があり、あたりにはカマキリや女郎蜘蛛、モンキチョウなんかを見かけます。特大の葉をしたヤツデやカクレミノ、ヤマモモ、ビワ、シデコブシなどがはえていて植生が豊かです。花のつぼみは今、金色の綿毛をまとって輝いています。植物図鑑を持って出かけたり検索アプリなんかを使えば数倍楽しくなること請け合いです。

シデコブシのつぼみ

金色に輝く綿毛

遊歩道を抜けると標高279mの衣笠山登山道分岐に出ます。

衣笠山「ワンコルート」の完成にはほど遠く

衣笠山は登山ルートの足跡を犬の絵「ワンコルート」にして楽しんでいる方が多いようです。歩いたコースによってはきれいなワンコが描けたり、しっぽが短かくなったり、リードまでついていたりと色々なワンコの形になって楽しいですね。今回は藤七原湿地を散策した後にワンコの鼻先から額を描くだけのピストンコースですが、三河湾を見下ろす桟敷岩でお弁当を楽しめます。

ししおどし秋の季語なの?ぽかぽか陽気

藤七原湿地から杉林の中を進むと「コン」、しばらくしてまた「コン」という音が聞こえてきます。「家康公のお水場跡」とあり、細い沢の中にししおどしが作られています。ここまで短い距離を登ってくるだけですが連日の陽気のせいで一汗かいてしまいます。ししおどしの添水って秋の季語だそうですがとてもその風情は感じられず汗を拭いて一服入れます。

ししおどし

家康公お水場跡

水場からは林道も登山道も選択できますが登山道を行きます。途中「家康公の腰掛岩」、「東の覗き」と景勝ポイントを過ぎると衣笠山の展望台に到着します。

衣笠山から三河湾

衣笠山から三河湾

桟敷岩でお座敷弁当

衣笠山展望台は景色もいいのですが、お昼にするにはちょっと狭いので山頂から西へ尾根をたどり「桟敷岩」を目指します。桟敷岩からは仁崎方面三河湾の眺望がすばらしく、広く平らな岩の上に座ればゆっくりとお座敷弁当が楽しめます。

桟敷岩から三河湾を望む

桟敷岩から三河湾を望む

奇岩めぐり、亀岩にギョ!

一服したら桟敷岩のすぐ西に奇岩が点在しているのでぐるっと回ってみましょう。亀岩などなかなかの迫力です。

奇岩めぐり

亀岩

ひとめぐりしたら桟敷岩に戻りもと来た道を下山します。今回は身近な場所にある小さな湿地から歩いてみました。県内には東海丘陵湧水湿地群や藤前干潟といったラムサール条約登録湿地や尾張丘陵・知多半島地域、東三河・渥美半島地域などにも多くの貴重な湧水湿地群があります。低山ハイキングや動植物観察、ショッピングや観光地めぐりなどとも組み合わせて手軽に地域まるごと楽しむ湧水湿地ツーリズム。いろいろお出かけしてみたいですね。

 

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