しだみ古墳群と東谷山

しだみ古墳群 史跡、城
しだみ古墳

名古屋市守山区の東北端に位置し、庄内川を見下ろす標高198.3m名古屋市最高峰の東谷山。
冬の晴れ間が期待できる日にのんびりハイキングしながら陽だまりランチを楽しみ、しだみ古墳群や多種多様な果樹を観察できる東谷山フルーツパークにも立ち寄ってみよう。

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コース概況

今回は、東谷山フルーツパークの第一駐車場を起点に南社古墳と中社古墳を経由して東谷山に登り、山頂からは林道を上志段味東谷の住宅街方面へ下山し、庄内川河畔の東谷山白鳥古墳から白鳥塚古墳と巡ってフルーツパークに戻るルートである。

東谷山フルーツパーク第一駐車場の工事近況

第一駐車場は、導水路工事のため駐車可能エリアが大幅に減少しており令和6年3月下旬まで工事継続中である。現況4、50台は駐車できるが最新状況を確認して出かけたい。イベント開催時以外は無料で利用ができトイレ施設もある。

東谷山ハイキング

第一駐車場で身支度を整え、駐車場向かいの「東谷山散策路」から登り始める。
山頂までは30分ほどで到着できるが散策路途中にも古墳が点在しており、ゆっくりと見物しながら登りたい。

東谷山散策路

東谷山散策路

南社(みなみやしろ)古墳

散策路は丸太で階段が組まれ、ロープや杭で仕切られており各所に道標が設置されている。冬場は落ち葉のクッションが足裏に心地良い。登り初めてすぐに東谷山27号墳の説明板が現れる。続いて山頂までの距離と階段数が記された道標を二つ過ぎると南社古墳に到着する。地面には大きな説明板が設置されている。

南社古墳

南社古墳

墳丘は直径約30m、高さ6mの円墳で4世紀中頃古墳時代前期の築造。墳頂には東谷山の山頂にある尾張戸神社の末社である祠がある。

中社(なかやしろ)古墳

南社古墳から散策路の階段をさらに140段ほど登ると中社古墳に着く。中社古墳は墳丘長63.5mの前方後円墳で東谷山の山頂から南に延びる尾根上に立地している。東海地方最古級の埴輪が古墳時代当時のままの状態で出土しており発掘調査で出土した葺石を使って墳丘の一部が復元されている。また実際に出土した埴輪をもとに複製品がつくられ埴輪列も復元されている。東谷山山頂の尾張戸神社古墳に続く4世紀中頃の築造とされる。

中社古墳

中社古墳

尾張戸(おわりべ)神社古墳

散策路をもう一登りすると東谷山山頂に到着する。尾張戸神社古墳は東谷山の山頂にある古墳で古墳の上に尾張戸神社本殿が建っている。墳丘は直径27.5mの円墳。埴輪を伴わないことや葺石の類似点から山麓にある白鳥塚古墳と同時期の4世紀前半古墳時代前期の築造とされている。

尾張戸神社古墳

尾張戸神社古墳

尾張戸神社は社伝などによれば、第13代成務天皇5年(西暦135年)、ヤマトタケルの妃である宮簀媛命(みやずひめのみこと)の勧請による創建という。祭神は天火明命(あめのほのあかりのみこと)、天香語山命(あめのかぐやまのみこと)、建稲種命(たけいなだねのみこと)の三柱で宮簀媛命は建稲種命の妹にあたる。

尾張戸神社

尾張戸神社

神社西側には展望台があり、庄内川や濃尾平野、さらに奥には伊吹山、鈴鹿山脈などが見渡せて眺望が良い。

東谷山展望台からの眺望

東谷山展望台からの眺望

さらに神社東側には猿投山方面を見渡せる展望ベンチもある。北風の風裏になるので冬場でも日差しがあれば暖かく一服するのには最適である。ゆっくりと休憩していきたい。

展望ベンチ

展望ベンチ

休憩ベンチ手前には、四季折々の日の出位置を表した手作りの説明板があり興味深い。実際の景色と照らして確認してみよう。

日の出の位置説明板

日の出の位置説明板

尚、神社西側に水を使わないバイオトイレが設置されている。地元ボランティアのご努力で運営されており、利用時は汚すことなくきれいに使わせていただきたい。

下山ルート

東谷山山頂からの下山路はいくつかあるが、今回は神社北側の林道を庄内川方面へと下り東谷山白鳥古墳へ向かうルートを選択する。下りはじめてすぐ左手に、もともと3号墳の埋葬施設に使われていた石材を再利用した石組みが作られている。周辺案内図も記した説明板があるので確認して下山しよう。

3号墳の移設石組み

3号墳の移設石組み

東谷山白鳥古墳

東谷山白鳥古墳へは、尾張戸神社から30分ほど林道を下り上志段味東谷の住宅区を抜けるとすぐである。尚、林道は神社直下まで来ているが途中で通行止めになっているので自動車での登りルートには使えない。東谷山白鳥古墳は直径約17mの円墳で、6世紀末の築造である。近年の整備事業で墳丘上の雑木が伐採され、周溝のラインがわかるようになり当時の姿をイメージしやすいようになった。

東谷山白鳥古墳

東谷山白鳥古墳

またこの古墳には、市内で唯一完全な形で残る横穴式石室がある。石室は全長約9.8m、高さは約2.4mあり石室の入り口に音声ガイドが設置されているのでスイッチを押して案内を聴いてみよう。

東谷山白鳥古墳石室

東谷山白鳥古墳石室

白鳥塚古墳

東谷山白鳥古墳から155号線の東谷橋南交差点で南下して白鳥塚古墳へ向かう。徒歩10分ほどである。県内で3番目に大きな古墳で墳丘長115mの前方後円墳。尾張戸神社古墳と並んで4世紀前半の築造とされ愛知県で最も古い前方後円墳である。階段が設置されていて墳丘に上れるようになっている。

白鳥塚古墳

白鳥塚古墳

広い敷地内には休憩ベンチも置かれているのでゆっくりと見物できる。白鳥塚古墳とヤマトタケルの伝説が説明板にあるので青空を見上げて古代に思いを馳せてみると面白い。

休憩ベンチ

休憩ベンチ

東谷山山頂で伊吹山を遠望し、白鳥塚古墳で古代ヤマトタケルの伝説を楽しんだら東谷山フルーツパークへと向かう。

東谷山フルーツパーク

白鳥塚古墳からフルーツパークへは車道をさらに南下する。一部歩道が狭いので注意して通行したい。石ひろい池でしだれ橋を渡ってフルーツパークへ入る。フルーツパークは基本月曜日が休園日なので出かける際は営業を確認しておきたい。園内各所からは今下山してきた東谷山を遠望できる。冬場の果樹の芽吹きは少ないがサザンカや梅の花など季節の花も楽しめる。園内を散策しながら第一駐車場へと戻る。

東谷山遠望

東谷山遠望

管理人山行日 2024年1月23日
第一駐車場発 10:25
第一駐車場戻り 15:20

 

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