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「ほの国」設楽町は愛知県の北東部に位置し、豊川、矢作川、天竜川の源を有する自然豊かな山あいの町です。
設楽町には戦国の山城や史跡、景勝地がいくつも点在しています。
歴史の里田峯城もそのひとつでサイクリングやハイキングで訪れるのにぴったりです。
長篠の戦いで織田・徳川軍に敗れて敗走した城主菅沼定忠は武田勝頼を案内して田峯城へ帰還するも入城を拒まれてしまいます。
そこから始まる田峯城騒乱の物語。
歴史の舞台となった田峯城の周辺には奉納歌舞伎がおこなわれる田峯観音や田峯城騒乱にまつわる道善畑に首塚、菅沼氏菩提寺の日光寺、乳母神様などなど、見どころや立ち寄りどころが満載です。
でもこれらの見どころを初見で車で回ろうとすると山里の道はとても狭く、駐車場の心配などもあってとても苦労させられます。
そこで活躍するのが自転車です。
自転車を車に積んでいけば近場で車から自転車に乗り換えてサイクリングとハイキングを楽しみながら自然豊かな設楽の山里の旅を満喫できます。
この記事では城郭ファン、サイクリングやハイキングの愛好家に向けて田峯城周辺のおもな見どころを効率よく、かつよくばりにたのしむ筆者おすすめのめぐり方を徹底解説していますのでぜひご自身でそのすばらしさを堪能してみてください。

道善畑より
設楽の田峯城をめぐるサイクリング&ハイキング行程
みちの駅したら(起点)・・・新清嶺橋・・・田峯バス停・・・田峯城・・・日光寺・・・道善畑(今泉道善処刑の地)・・・田峯城内乱の首塚・・・乳母神様・・・白鳥神社・・・田峯観音・・・だみねテラス・・・県内最大のカゴノキ・・・みちの駅したら(終点)

みちの駅したら
「道の駅したら」までは車でアプローチします。
そこからは車につんでおいた自転車に乗り換えてサイクリング&ハイキングです。
山あいの里をめぐるには機動性が高く小回りの効く自転車を使うと効率よく回れます。
効率ばかりでなく、自然の景色をたのしみながらあちこち寄り道してめぐることができるのが自転車旅のいいところです。
車とちがって細い道、Uターンなんかもへっちゃらです。
田峯城へはサイクリングがおすすめ
田峯城は城郭ファン必見の山城です。
城の来歴については「愛知の山城ベスト50を歩く」が参考になります。
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現代の田峯城は「歴史の里田峯城」として整備されたもので本来の遺構を再現したものではありませんが、田峯城の魅力はなんといってもその立地です。
物見櫓にのぼり眼下に雄大な景色をながめれば寒狭川を敗走してくる戦国武将武田勝頼らの姿をありありとイメージさせてくれます。
今回はみちの駅したらで自転車に乗り換えて豊川沿いにくだって田峯城をめざします。
田峯城へは車でアプローチすることも可能ですが、ルートを間違えるとすれ違いが困難な道にはまったり駐車場所をさがしたりとたいへんです。
自転車であればそんな心配は無用で自然の中をサイクリング&ハイキングできます。
今回筆者は折りたたみ自転車でめぐっていますが、電動アシスト自転車なんかで訪れると最高です。
まず国道257号線を西進し、清嶺トンネルを抜けると新清嶺橋で一級河川豊川を渡ります。
新緑の季節は橋上からの景色が抜群のながめです。
橋を渡りきったところで交差点を右へ入る道路は、田峯観音へ至る町道103号田内折立線です。
交差点の角に田峯十一面観音入口と大きく案内されています。
もし車で田峯城をめざす場合には、この田峯観音方面へと右折し、はじめに田峯観音を参拝してから町道を南下して田峯城を訪れた方が道幅がひろいのでおすすめです。

新清嶺橋より豊川
サイクリングの場合は、新清嶺橋から国道257号線をさらに西進南下して段嶺郵便局の先で右折して「田峯遊歩道Cコース」に入ります。
郵便局先の交差点右奥に遊歩道案内図と田峯城への道標が設置されているので確認してみましょう。
尚、案内図から豊川沿いにもう少し下ると田峯おしどりの里があります。
ここはおしどりの越冬地となっており、シーズンの11月から3月にかけて観察できます。

田峯遊歩道案内図
田峯城へは遊歩道案内図に向かって右手へ進み、町道148号田峯海老線に入ります。
すぐ左手に現れるトンネルは森林鉄道段戸山線の名残です。
ここから田峯城までの町道は道幅が狭く、車の通行には不向きですので車の場合は前述したように田峯観音から田峯小学校前を南下するのがおすすめです。
自転車の場合は問題なく通行できますが今回のサイクリングルート中、一番の登り坂となり頑張りどころです。

町道148号田峯海老線
坂道は急になり、自転車を押し歩くと右手から登ってくる山道が町道と合流する地点に休憩ベンチが現れます。
筆者はちっちゃな折りたたみ自転車で登ってきましたのでここで一服です。

休憩ベンチで一服
田峯城へはこの先の町道105号線田峯東区田内線と合流する地点に白い道標が設置されています。
Y字路を左折して一漕ぎすれば到着です。
駐車場脇にはトイレも設置されていますので安心です。
新緑の季節に訪れるとみどり一面の茶畑の風景が美しくひろがります。
田峯茶はおみやげにもおすすめです。
寒狭川から立ちのぼる霧は直射日光を遮り茶の生育によいとされ、田峯茶は一煎目の甘み、二煎目の渋み、三煎目の苦みと三煎までたのしめる筆者お気に入りの逸品です。
後述の田峯テラス隣にある特産物直売所で購入するのがおすすめですがふるさと納税でも購入することができます。
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歴史の里田峯城入城のいまむかし
田峯城は、文明2年(1470)菅沼定信が自身の居城として築いたと言われています。
4代下って城主の菅沼定忠は武田信豊、山県昌景の配下にあって長篠の合戦に臨みました。
武田軍が総崩れになると敗走する勝頼一行と合流し、田峯城へと案内するも武田敗北を察知した留守居役の叔父定直と次席家老今泉道善の謀反にあい入城を阻まれ、定忠と勝頼一行はやむなく支城である武節城へと命からがら落ち延びてゆきます。
復讐心を募らせた定忠は翌年田峯城を夜襲し、定直、道善をはじめ僧俗男女老少まで96名を惨殺してその恨みを晴らしたとされます。
中でも首謀者の今泉道善は鋸引きにされたといいます。
今回のサイクリング&ハイキングではその田峯城、今泉道善処刑の地である道善畑をめぐってみましょう。
田峯城は残存資料が乏しく、城址の発掘調査や研究成果に基づいて建造物が復元されているわけではありませんが、遺構は中世の武家屋敷をしのばせる書院造りの様式で復元されています。
本丸には、御殿のほか、厩、物見台、大手門が復元されていて見どころです。

田峯城大手門
定忠や勝頼が入城を阻まれた田峯城は現代では、入城料(大人220円)を払えば誰でも入城できてしまいますね。
開城時間は午前9時から午後4時までで毎週月曜日と祝日の翌日等は休城ですので注意が必要です。
物見台に登れば植生に随分と遮られますが、眼下西方にわずかに寒狭川(豊川)がきらりと見えます。
田峯城は本丸から見下ろした寒狭川が蛇行し、山城をいただく様子がまるで大蛇のようであることから別称蛇頭城(じゃずがじょう)とも呼ばれていました。
はるか下流の長篠城から寒狭側沿いに敗走してきた定忠、勝頼らの姿が目に浮かぶ景色はイチ押しの必見スポットです。

田峯城物見台から
鎮魂のサイクリング&ハイキング、道善畑(今泉道善処刑の地)から田峯城内乱の首塚へ
田峯城からは今泉道善処刑の地「道善畑」と田峯菅沼氏の菩提寺である日光寺に立ち寄り、田峯城内乱の首塚へとサイクリングします。
車で道善畑へ行くとなると道幅が狭いため田峯城に車を停めて散策した方がよいですが、自転車なら楽々見て回れます。
田峯城の駐車場を出て町道田峯東区田内線を西進すると150mほどで左に道善畑への分岐があります。
また日光寺へは同分岐からさらに北へ100mほど進むと、右手に町道寺前前下線を分けるのでこれに入ればすんなりと立ち寄ることができます。
道善畑(今泉道善処刑の地)
次席家老の今泉道善は田峯菅沼氏の重臣として宗家を支えていました。
長篠の合戦前夜、城主定忠や主席家老の城所道寿と対立した道善は田峯城内に留まり、合戦には嫡男の道玄が定忠や道寿とともに出陣しています。
道善は幼かった定忠に田峯城主の座を継がせる裁定をした徳川家康への恩義から出陣に反対していたのです。
長篠の戦いから敗走してきたそんな城主の帰還を門前に拒んだ道善は翌年、定忠の復讐にあい田峯城騒乱のなかで処刑されてしまいます。
現代の道善畑は周囲に茶畑がひろがり、鞍掛山など設楽の山々を遠望できるのどかで美しい広場になっています。
広場の端にはぽつんとひとつ小さな碑だけが残されています。
美しい里山の風景と流血の歴史のコントラストが青空の下に悲しく広がっています。

道善畑
田峯山日光寺
田峯山日光寺は田峯菅沼氏の菩提寺です。
江戸時代の初期に日光寺が焼失した際、寺を再建しようとした田峯の村人たちは徳川幕府の御用林とは知らずに段戸山の木々を伐採してしまいます。
盗伐の疑いをかけられて御油赤坂の代官が検分に来ることとなり、処分を恐れた村人たちは田峰観音に願をかけ歌舞伎を奉納したところ、検分の日になって旧暦6月の土用というのに雪が降り、伐採したあとの切り株が隠れて盗伐の罪を免れたといいます。
以後、田峰観音の大祭で歌舞伎が奉納されるようになったと伝わっています。

田峯山日光寺
怖いけどやっぱり行きたい田峯城内乱の首塚!
さて、首塚です。
日光寺から町道田峯東区田内線に戻って北進すると交差点角に「首塚」への石柱の道標が立っています。
左手の坂道を一登りすると町道112号鍛治沢休戸線に上がります。
この町道を500mほど南下すれば道路脇左手に首塚入口の道標と休憩ベンチが現れます。
ここから首塚へは自転車を置いて道標向かい側の山の斜面に作られた擁壁の坂道を上がって徒歩でのハイキングです。

田峯城騒乱の首塚へ
首塚は定忠によって処刑された人々の首をさらしたところと言われており、町の指定史跡となっています。
ハイキングとは言っても薄気味悪さが否めず、陽気のよい日中に複数人で連れ立って訪れることをおすすめします。
筆者は寄り道して付近の山中を歩き回っていたところ、突然林の中に古い石仏などが現れてどきっとしました。
なぜこんなところに石仏がと思いましたが素性を確かめようもなく、ここではこれ以上の紹介は控えます。

田峯城内乱の首塚
青空ランチはだみねテラスが最高
首塚からは町道に戻って自転車で乳母神様、田峰観音、白鳥神社、だみねテラスへとめぐる快適なサイクリングの旅です。
乳母神様の悲しい歴史
町道田峯東区田内線作手街道沿いに菅沼定忠の乳母を祀った乳母神様が建っています。
乳母神様は首塚から町道を北進すると田峰観音へ向かうY字路に至るのでここで左手の道に進むとすぐ先の道路脇に建っています。
定忠の父であった定継とその弟、定直は弘治2年(1556)布里合戦で同族内で織田方、今川方に分かれての騒乱となりました。
敗れた定継が自刃した際、遺児である小法師(定忠)を抱いて逃げた乳母は病身の定忠の助命を嘆願しつつも追っ手に手打ちにされてしまったといいます。
乳母神様は後年になって定忠が身を挺して我が身を守ってくれた乳母を偲んで建立したものです。
菅沼定直は兄定継の遺児である幼い定忠には刃を向けず、菅沼宗家の命脈を保つため、定忠の後見となって田峯城に留まりました。
しかしその定直は後年、自分が養育し成長した定忠に討たれるという運命でした。

乳母神様
白鳥神社
白鳥神社へは前述した乳母神様に向かった際のY字路の少し手前南側にあるT字路まで戻るとNTTの電話交換所施設が見えますので施設脇の小径を進めば訪れることができます。
車は進入できないので車で行く場合は田峰観音の駐車場等に駐車して徒歩で向かうことができます。
白鳥神社は応永17年(1410)に日本武尊を勧請、寛正2年(1461)には菅沼伊賀守貞成が作手郷菅沼田ノ口から誉田別命を勧請したと言われています。
文政十一年の常夜燈や昭和八年改築の長い石段、本殿脇に立つご神木の大杉などは必見です。

白鳥神社
田峰観音高勝寺
田峰観音高勝寺は初代田峯城主菅沼定信の開基とされ、三河三観音の一つに数えられています。
日光寺焼失の際、真夏に雪を降らせて村人の危機を救ったという霊験伝説のある古刹です。
田峰観音へは前出乳母神様に向かった際のY字路で右手東側に入れば駐車場に至ります。
駐車場から石段を上がったところの杉は参道の両側に立っているため、鳥居杉といわれています。
落雷で樹勢が弱っているのが心配されていますがそれぞれ幹回り5m、樹高40mを越える巨木です。

田峰観音
青空ランチは「だみねテラス」がおすすめ
今回の行程中、青空ランチは「だみねテラス」が断然おすすめです。
だみねテラスは田峰観音駐車場脇にあり、戸外の休憩ベンチからはまるで映画のスクリーンを見るかのように設楽の山並みが見わたせます。
すぐそばには田峯特産物の直売所もあり、五平餅はあつあつを焼いて出してくれます。
ゆっくりと休憩していきましょう。

だみねテラスで青空ランチ
巨木に逢える町したらの県内最大のカゴノキ
設楽は巨木に逢える町です。
町内各所に目をみはる大木、巨木があります。
ここ田峯のカゴノキは県内最大といいます。
カゴノキは樹皮が点々と脱落したあとがまだらに白くなって鹿の子模様になることからその名がついています。
田峯のカゴノキは根元近くに祠が祀られており、ご神木として大切にされてきました。
田峰観音参道入口の石段の右横に立っているので訪れてみましょう。
(注)参道は、だみねテラスよりも下から続いている参道の方になります。

田峯のカゴノキ
快適サイクリングで帰ろう!奥三河郷土館も必見
戦国の歴史の舞台となった田峯の里探訪もカゴノキに別れを告げて終了です。
カゴノキ前の参道入口から右手に田峯小学校を見送り直進して、町道103号田内折立線を下ります。
往時に見送った国道257号線の田峰十一面観音入口まで、自転車の威力と爽快さを感じる一気のダウンヒルです。
みちの駅に戻ったら併設されている奥三河郷土館にも立ち寄ってみましょう。
きっとしたらの懐の深さにあらためて感動するはずです。
最後に筆者おすすめの自転車旅の紹介です。
昨今の電動アシスト自転車は航続アシスト距離が長く旅のお供に強力な助っ人になってくれます。
またデザインのすばらしいものが多く、本当にうきうきさせてくれます。
自身にあった一台をいろいろ検討してみるとお出かけがますますたのしくなりそうですね。
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折りたたみ自転車の魅力についてはこちらの記事でも紹介していますのでご参照ください。

管理人探訪日 | 2024年5月17日 |
みちの駅したら発 | 9:55 |
みちの駅したら着 | 14:45 |