葦毛湿原から展望の座談山、神石山

葦毛湿原 愛知の山、自然
葦毛湿原

豊橋市の市街地近郊にあって多様な植物の宝庫である葦毛湿原。東海のミニ尾瀬とも呼ばれ弓張山地の北側緩斜面に湧水湿地が広がる葦毛湿原は2021年10月に国の天然記念物にも指定された。現地では3月頃からショウジョウバカマが咲き始め、11月頃まで四季折々に湿原の花が楽しめる。今回は湿原を散策したのち、弓張山地の座談山と神石山に登り、展望ランチを楽しんだら再び葦毛湿原に下山してくるハイキングコースの紹介である。 

春到来の葦毛湿原

葦毛湿原にショウジョウバカマが咲き出した。まだどこに咲いたか数えるほどしか見当たらないが一面枯れ草に覆われている湿原で春の息吹を探すのは楽しい。うぐいすも鳴き始めている。春を探しに出かけてみよう。

ショウジョウバカマ

ショウジョウバカマ

準備とアプローチ

3月初旬。この時期の湿原は陽だまりは暖かくても風が吹けばまだ寒い。座談山、神石山にも登るので寒さ対策と足作りはしっかりと準備していきたい。葦毛湿原には湿原の入り口にあたる長尾池手前に第二駐車場が設けられていて、さらに第二駐車場の手前左奥に第一駐車場がある。アプローチには第二駐車場の方が近くて便利だが未舗装である。混雑状況を見て選択すると良い。長尾池畔にはトイレがあるので出発の準備を整えたら東屋のある方向へと進む。まるで地面から根が生えたかのような大きな枝と樹冠を持ったクスノキたちが出迎えてくれる。

クスノキ

クスノキ

葦毛湿原散策

長尾池から道標に従って岩崎自然歩道を15分ほど歩けば葦毛湿原の中央広場に着く。ここに湿原の案内図があるので、散策路と登山ルートを確認しよう。これから登る座談山、神石山へは散策路の終点からさらに先へと進むことになるが、南へ向かう散策路と東へ向かう散策路の二つのルートがあってどちらを選択しても良い。今回は登りには親子岩方面の一の沢側の散策路を進み、下りは四の沢側の散策路から下山して来るルートを選択する。

葦毛湿原案内図

葦毛湿原案内図

ルートを確認したらゆっくりと散策路を巡ってみよう。木道の散策路が整備されている。湿原の花はまだこれからだが枯れ草に覆われた湿原は開放感抜群。この時期ならではの景観が楽しめ、花の季節への期待も膨らみ何度でも訪れてみたくなる。

葦毛湿原

葦毛湿原

展望の座談山と神石山へ

湿原の南方、一の沢側に散策路を一番奥まで進むと「岩崎自然歩道を経て豊橋自然歩道本線(稜線)へ(葦毛湿原散策者ここまで!)」の道標があるのでここを左に折れて座談山へと向かう。「自分のゴミは持ち帰りましょう!」の道標もある。豊橋市は530(ゴミゼロ)運動発祥の地である。散策路や自然歩道は非常にきれいに維持されており、ひとり一人が実践したい。

道標

道標

座談山ハイキングコースの要所

座談山へは先の道標から弓張山地の緩斜面をトラバースするようにスギ、ヒノキ林の中を進んで行く。途中で小沢が数本左手の葦毛湿原側に流れ込んでいることがよくわかり、ハイキングコースは沢の上部を横断して行く形だ。15分ほど歩くと四の沢側から登ってくる山道が左から合流する。帰路に使うルートなので道標を確認しておこう。さらに10分ほど登れば一息峠に到着する。ベンチもあるので「一息」入れよう。

一息峠

一息峠

一息峠からのルートは右手になる。中継所方面へと進む。10分ほどで階段下分岐となるので右手の擬木階段を上る。

階段下分岐

階段下分岐

階段を上りきり、さらに左手二川TV中継所方面へ登り詰めると二川の街を見下ろす尾根に出る。じきに中継所が現れ、さらに5分ほどで座談山山頂のすぐ東側に建つ送電鉄塔に到着する。鉄塔の少し手前で座談山北側の巻き道から上がってくる山道が左から合流してくる。分岐点になっているが登って来るときには気づきづらい。帰路は往路を戻るのでこの分岐点で間違えないようにしよう。山頂と休憩ベンチは分岐点のすぐ西側の斜面だ。さて青空ランチは座談山にするか、この先の神石山にするか迷うところだがお昼を食べて身軽になってから神石山を往復することにする。

座談山休憩ベンチ

座談山休憩ベンチ

鉄塔前からは浜名湖方面まで見渡せて眺望がすばらしい。

浜名湖を望む

浜名湖を望む

神石山ハイキングコースの要所

座談山から神石山の往復には1時間半、休憩を入れると2時間はみておきたい。座談山から葦毛湿原までの下山にはプラス1時間。各自の脚力や余裕時間を考慮して神石山まで足を伸ばすか座談山でゆっくりして下山するか調整判断しよう。

神石山を望む

神石山を望む

神石山へは豊橋自然歩道を船形山のコル、船形山城址、普門寺峠、望寺岩と尾根筋のアップダウンを繰り返して行く。座談山から10分足らず下ると船形山のコルに到着し道標が立っている。ルートは明瞭だ。船形山、神石山方面を目指す。5分も歩くと送電鉄塔の建つ船形山城址に到着する。さらに10分ほどで普門寺峠を過ぎるとやがて望寺岩に到着する。望寺岩は普門寺旧境内の遺構の本堂跡である元堂址の真上にあたる。歴史ある豊橋のもみじ寺普門寺の裏山である船形山周辺には平安時代から江戸時代にかけての山寺の遺構が無数に残されており、見どころ満載の地域なのだが今回はハイキングなので別の機会にゆっくりと訪れることにしよう。

望寺岩

望寺岩

望寺岩からは送電鉄塔下を通り、岩崎町手洗方面との分岐を過ぎて最後の登りである土留めの階段を200段ほど上れば神石山に到着する。望寺岩から山頂までは20分ほどである。神石山も座談山に劣らず眺望が良いのでゆっくりと休憩しよう。

神石山

神石山

下山は往路を忠実に戻る。途中、葦毛湿原に下る際には往路に使った山道と四の沢に沿って登ってくる山道が合流する分岐点で右に折れて四の沢を左手に見ながら下れば湿原の入り口に帰ってくる。

 

葦毛湿原入り口

葦毛湿原入り口

管理人山行日 2024年3月3日、4日

 神石山についてはこちらの記事でも紹介しています。

https://furusatohakken.com/tame-nature-trail-kamiishiyama/

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