たはらアルプスは愛知県内でも最も歴史の古い自然公園である三河湾国定公園内にあり、標高は300mにも満たない低山ながらも三河湾や太平洋まで望める眺望スポットが点在し、街なかのウォーキングトレイルともつながったトレッキングコースや自然歩道が充実しています。
でも見どころやルートが多すぎてどこをどのように回ろうかと悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は初めてたはらアルプスを歩く登山初級者の方に向けて7山を縦走するおすすめのハイキングルートと見どころを紹介してみたいと思います。
今回のルートを歩けば、たはらアルプス全体の規模感や所要時間について感触がつかめますので次の機会には歩いた軌跡が犬の絵になる「わんこルート」にもチャレンジしてみたくなること請け合いです。
たはらアルプス縦走ハイキングは滝頭公園からスタート
ハイキングのスタートは滝頭公園が便利です。
公園にはセンターハウス管理棟(月曜日定休)や駐車場、トイレも完備されているので安心です。
また公園前には田原市ぐるりんバスのバス停もありますのでバスでのアプローチも容易です。
今回のハイキングルートでは下図の7山を周遊します。
わんこルートで言えばしっぽと後ろ足部分を省略して首下半分の要所をおさえるルートです。
標高は高くてもせいぜい250m程度の低山ハイキングですが、ルート中には不動滝やスリリングな恐竜の背などの景観スポットがあり充実の縦走ハイキングを楽しめます。
たはらアルプス7山縦走ルートの近況と見どころ
縦走ルートに沿って近況と見どころを紹介します。
滝頭公園から不動滝へ
ルート概要と所要時間の目安を示します。
ルート概要(所要時間目安):滝頭公園駐車場(20)→不動橋(5)→滝頭不動(15)→不動滝
*所要時間に休憩は含んでいません。登山初級者が無理なく歩ける少しゆっくり目のスピードで想定しています。
滝頭公園のセンターハウス前から野球場とテニスコートの間を通り、滝頭下池、上池方面へ進みます。
上池の南側から車道に上がりそのまま車道を奥へと進むと赤い不動橋に出ます。
不動橋を渡り長い石段を上がった左手奥が滝頭不動明王です。
不動滝へは不動明王の脇を通りさらに先へ進みます。
沢の左岸の急な参道を登り「蛇穴・たらめ新道」の分岐を分けると左手奥に岩肌を流れ落ちる三段の滝が現れます。
落差が12mある二の滝です。
不動滝はさらに10分ほど登った上手にあります。
参道に戻りトラロープの張られた足場の悪い箇所を注意して過ぎると「滝頭山↗」、「←滝頭不動滝」、「滝頭不動尊→」を分ける三点分岐となりますので左手へ進めば不動滝です。
参道の入り口には大正15年と刻まれた小さなお百度石が建ち、奥に赤い柱の拝殿、そのさらに奥に落差9mの不動滝がかかります。
滝の周りにはたくさんの石仏がならび神聖な雰囲気が漂う祈りの場所になっています。
ルート中随一の展望が広がる「恐竜の背」
続いて「恐竜の背」を目指します。
ルート概要(所要時間目安):三点分岐(10)→懺悔岩(15)→恐竜の背
恐竜の背は三河湾や太平洋まで見渡せる抜群の眺望スポットになっています。
まず不動滝から前出の三点分岐まで戻り滝頭山方面へと登ります。
10分ほど登ると「懺悔岩・ミツバ回廊→」の道標が現れますので一旦登山道から外れて覗いてみましょう。
滝頭公園の野球場や奥には展望台のある蔵王山(250.4m)もよく見渡せます。
懺悔岩から先の「ミツバ回廊」は今登ってきた登山道の上方へ巻き上がっているのですが、道はあまり踏まれておりませんので歩くと木々の枝葉や草が体に触ります。
苦手な方は元の登山道へ戻った方がよいでしょう。
尚、ミツバ回廊へ進めば仙人の腰掛けと名付けられた小さなベンチがあり展望が得られます。
懺悔岩から登山道に戻ってさらに先へ進むと恐竜の背に続く「←岩登りコース」と「一般コース→」の分岐に出ます。
左はロープ伝いに恐竜の背に上がる岩場を直登するルートになっています。
岩登りコースはかなり傾斜があるガレた岩場ですので無理せずに右の一般コースから登った方が安全です。
一般コースに入り5分ほどで「←不動滝」、「仁崎峠↘」、「滝頭山→」を分ける三点分岐に至ります。
方角が少しわかりづらい地点ですがこの分岐の上から左手に踏みあとが続いていてその先が恐竜の背です。
立ち木に「←恐竜の背」の標識もしばりつけてありますので立ち止まって辺りを確認すればわかります。
大展望が広がっていますので一服していきましょう。
滝頭山、中西山を縦走し「西の覗き」へ
恐竜の背で展望を楽しんだら、滝頭山、中西山とたはらアルプスのピークハントをしながら西方の展望が広がる「西の覗き」を目指します。
ルート概要(所要時間目安):恐竜の背(8)→滝頭山(10)→中西山(8)→西の覗き
滝頭山
三点分岐に戻り滝頭山を目指します。
すぐ先で不動滝の南から平行していた登山道が左手から合流してきます。
そのまま直進すれば滝頭山に到着です。
滝頭山は展望はありませんが木立が開けた尾根上にあります。
中西山
尾根をさらに西へ10分ほど歩き中西山を目指します。
中西山へは快適な尾根歩きで右手の木立の隙間からは三河湾が見え隠れします。
中西山も尾根上に標識があるだけですのでそのまま通過すると「←長興寺」、「↙藤尾山」、「滝頭山→」を分ける三点分岐に至ります。
立木にはわんこルートのイラストも縛り付けられています。
現在地はちょうど尻尾のつけ根あたりになりますが、今回は尻尾までは描かずまたの機会にお預けとします。
西の覗き
分岐から藤尾山方面へ下ります。
5分ほどで「西の覗き→」の道標に至り右へ曲がれば到着です。
鉄塔の建つ長興寺山から渥美半島の最高峰である大山、太平洋まで見わたすことができます。
藤尾山で青空ランチ
続いて藤尾山を目指します。
今回のハイキングルートでは藤尾山で青空ランチにするのがおすすめです。
ルート概要(所要時間目安):西の覗き(20)→三ツ俣(10)→藤尾山
西の覗きから藤尾山へ向かう踏み跡もありますが、一旦前出の道標まで戻り「藤尾山/稲荷山→」方面の踏み跡を辿って藤尾山を目指します。
ロープの張られた急斜面を注意して下りるとガードレール前に降り立ちますので左へ進んで二股分岐を右に入ります。
10分ほどで「←藤尾山」、「不動岳↘」、「西の覗き→」を分ける三ツ俣に到着します。
ここで藤尾山方面へ向かい、尾根をゆるやかに下って丸太階段を登り返すと陽だまりの藤尾山に到着です。
ここでわんこルートのかかとまで来ました。
ゆっくりと青空ランチにしましょう。
筆者おすすめの青空ランチスタイルはこちらの記事で紹介しています。
寒い季節になるとますますおいしくなります。
不動岳、赤松山を縦走し「扇原展望台」へ
藤尾山からは不動岳と赤松山のピークを通過し扇原の展望台へ向かいます。
ルート概要(所要時間目安):藤尾山(10)→三ツ俣(15)→不動岳(10)→赤松山(10)→扇原展望台
不動岳
わんこルートの後ろ足を描いて不動岳へ向かいたいところですが、今回は前出の三ツ俣まで戻ります。
三ツ俣分岐から尾根沿いに不動岳を目指します。
数分で迷子尾根の頭に出ると「←不動岳」、「百年桜新道↗」、「三ツ俣→」の三点分岐の道標が立っています。
不動岳方面へさらに10分ほど歩くとここでも三点分岐の道標が立つ不動岳に到着します。
小石の積まれた不動岳からは滝頭不動滝にも下りることができます。
この先の赤松山と扇原展望台の手前からも滝頭公園に下りるルートがあります。
時間や体力の都合でエスケープする際に使えるルートですので予め確認しておくとよいです。
赤松山
尾根をさらに東へ縦走して赤松山へ向かいます。
幅広い尾根道を進み古道担道不動滝の分岐を過ぎ丸太の階段を登ると赤松山です。
赤松山も尾根上にあり「←扇原」、「↙不動橋」、「不動岳→」の三点分岐になっています。
扇原展望台
赤松山からさらに東へ進み秋芳平の広い尾根を通過すると扇原の展望台に到着します。
木々に遮られますが三河湾を見通すことができます。
次回はわんこルート完成にチャレンジ!
扇原展望台から庄十山と稲荷山を経由して滝頭公園へ戻ります。
ルート概要(所要時間目安):扇原展望台(10)→庄十山(5)→稲荷山(10)→稲荷神社(20)→滝頭公園
庄十山、稲荷山と稲荷神社
扇原展望台から庄十山、稲荷山はわずかの距離です。
長い丸太の階段を下ってゆくと10分ほどで庄十山です。
さらに先へ広い尾根道を下ると稲荷山、とんび岩と通過し稲荷神社の上方まで下りてきます。
神社の鳥居下にはトイレと休憩所もありますので歩いてきたルートを確認してみましょう。
これでわんこルートの前足の先まで来ました。
神社の敷地の東端から車道を左折して林に沿って西へ歩けば20分ほどの散策で滝頭公園に戻って来ることができます。
今回はわんこルートの頭部になる衣笠山を歩いてはいませんが、衣笠山についてはこちらの記事で紹介していますので合わせて参照してみてください。
付近には貴重な湧水湿地である藤七原湿地がありシデコブシの花の季節に歩くと最高です。
いろいろルート研究してわんこルートも一頭分描けるとますます楽しいですね。
魅力たっぷりのたはらアルプスへ次回お出かけしてみてはいかがでしょうか。
管理人山行日 | 2024年11月25日 |
滝頭公園発 | 8:25 |
滝頭公園戻り | 13:50 |