光り輝く三河湾の景観やコアブラツツジの可憐な花、また秋の紅葉など四季折々に楽しめる宮路山。ルートの選択によっては、駐車場から30分とかからず山頂に立つことができ三河湾が眼前に広がります。また五井山まで縦走すれば、三河湾をさらに間近に一望できて充実したハイキングが楽しめます。
そんな魅力たっぷりの宮路山ですが道が狭くて駐車場へのアクセスに苦労した、トイレに困ったというような話をときどき耳にします。宮路山は駐車場やハイキングルートがいくつもあり、はじめて訪れる際には事前に駐車場へのアプローチルートやトイレの有無、予定のハイキングコースなどを下調べしておくことがこの山を楽しむコツです。
そこでこの記事では宮路山を初めて登る方、手軽に宮路山を楽しんでみたいと考えている登山初級者の方を対象におすすめの駐車場アプローチルートと登山コースについて紹介しています。また五井山縦走ルートについても詳述していますので、体力や時間には余裕があるよという方はぜひチャレンジしてみてください。
それでは、宮路山や五井山の山頂で三河湾を見下ろしながら青空ランチを楽しみに出かけてみましょう!
おすすめの駐車場アプローチルート
宮路山へは今回が初めてという方は、第一駐車場(12台駐車可)から登るのがおすすめです。まず第一駐車場に行ってみる。駐車場が満車の時は、第二駐車場(20台駐車可)へ回ってみるという順番が良いと思います。名古屋方面からですと、長沢町から三河湾オレンジロード(県道73号線)の下をくぐって第二駐車場へ向かうルートがありますが、こちらは距離的には近いですが大変道幅が狭いです。二輪車であればなんとかなりますが、対向車があると非常に苦労します。車の場合は赤坂登山口の県道374号線(旧東海道)側から第一駐車場を目指すのが正解です。第一駐車場、第二駐車場ともに無料で利用ができトイレが設置されています。平成5年の大雨で第一駐車場のトイレが土砂に埋もれる被害がありましたが、現在は復旧しています。
また宮路山を山麓から静かに歩いてみたいという方は、旧東海道から最も近い内山駐車場(10台駐車可)に車を止めるのがおすすめです。内山駐車場からの登山道はファミリー向けおすすめコースになっていますから体力と時間に余裕がある場合は、この駐車場から歩くと良いでしょう。こちらも無料で利用できますがトイレ施設はありません。事前に済ませるか、登山道を進んだ先で第一駐車場の登山口直上に合流しますから、第一駐車場のトイレを利用することになります。内山駐車場から第一駐車場までは徒歩50分ほど見ておくと良いでしょう。
また内山駐車場付近には音羽図書館、生涯学習センターなどの公共施設や無料休憩所よらまいかんなどがありますが、いづれも午前9時開館、月曜日定休です。尚、内山駐車場の北側階段を上ると「地滑り学習コーナー」があります。下山後にちょっと散策してみるのもよいですね。
宮路山ハイキングコースガイド
ここでは、内山駐車場からドウダンコースで宮路山に登り、登頂後に五井山を往復して帰路は再びドウダンコースで下山するルートを紹介します。体力や所要時間を確保できない場合は五井山は省略しても良いでしょう。また五井山周辺は利用できるトイレ施設が限られますので、あらかじめ確認しておくと安心です。記事内で詳述していますのでご参照ください。
登山コース(参考タイム):内山駐車場(50)→第一駐車場登山口(25)→宮路山山頂(5)→宮道天神社奥之院(5)→宮路山山頂(85)→五井山山頂(85)→宮路山山頂(20)→第一駐車場登山口(40)→内山駐車場
*参考タイムには休憩は含まない。登山初級者が無理なく歩けるスピードで算出。
内山駐車場から第一駐車場へ
駐車場南側の階段を上り、獣よけフェンスを開閉して登山道に入ります。冬場は赤い実をつけたセンリョウがちらほらと目につきます。しばらく歩けば宮路山頂と忠魂碑・赤坂駅を分ける道標が現れます。山頂方面へと向い15分ほど歩けば舗装された市道宮路線に出ます。昨年11月のもみじまつりまでは車はここで通行止めとなっていました。現在は第一駐車場まで車でのアプローチが可能です。
さて、市道を横断して宮路山周辺案内図を確認したら左側の宮路山遊歩道に入ります。車で第一駐車場へ向かう場合はここを右へ進みます。
遊歩道に入るとじきに野鳥の森分岐を右に見送り、さらに20分ほど歩けば第一駐車場から宮路山へ登る下記写真の登山道入口階段上に合流します。トイレが必要な場合は、ここの階段を下りてきて済ませておきましょう。
第一駐車場から宮路山
登山道入口の階段上から山頂へと向かいます。「宮路山遊歩道案内図」のところで登山道は左右に分かれます。左は森林浴コース、右がどうだん展望コースとどうだんトンネルコースに続くルートなので右へ行きます。
右から第二駐車場からの登山路が上がってくると、次はドウダントンネルコースとドウダン展望コースの分岐点になります。付近には休憩所やベンチなどがあるので一息入れると良いでしょう。山頂まではどちらのドウダンコースでも構わないし登りと下りで使い分けても良いです。
今回はひとまずドウダン展望コースを往復するルートをご紹介します。急な擬木の階段を15分ほど登れば宮路山聖跡の碑がある山頂に到着します。りっぱな碑は持統天皇が三河の地を行幸されたことを顕彰し大正天皇即位の記念行事として建てられたものです。碑を支える台石は弾琴石とよばれ、もとは宮路山の山中にあった自然石で3400キロもあります。平安時代末期の琵琶の名手藤原師長がこの石の上で琴を弾いたと伝えられています。
宮路山山頂からの三河湾の眺望は実にすばらしいの一言です。正面に渥美半島、その左奥には遠州灘も光り輝いて見えます。
山頂についたら宮道天神社本殿(奥の院)を往復してみましょう。わずかな距離です。本殿裏手に富士見スポットがあり、晴れていれば肉眼では指先ほどの大きさに富士山を望むことができます。運試しにでかけてみましょう!
宮路山から五井山往復
宮道天神社から宮路山山頂に戻り、一息入れ直して五井山へと向かいます。宮路山から五井山の往復には五井山山頂での昼食を含めて3時間半から4時間ほどみておくと良いでしょう。
宮路山山頂からは800メートル毎に道標が設置されており五井山までの距離と所要時間を参照することができますが、初級者や体力のない方には少しきつめのコースタイムという印象です。実際の所要時間はもう少し掛かるとみておいた方が良いです。
2つ目の道標(五井山頂まで2.3km、35分)を過ぎると右手に林道が迫り、無線塔が現れます。ここからヒノキ林の尾根筋を行く形になり、右下に林道を見ながら進むと3つ目の道標(五井山頂まで1.5km、25分)に着きます。
さらに尾根筋を進むと赤坂・長沢駅分岐がある4つ目の道標(五井山まで約18分)が現れ、擬木のステップを詰め上がるとガードレールが見えて写真の林道に上がります。
この地点の道標には山頂まで0.7kmとありますが、なかなか山頂に到着しない感じがするところだと思います。林道を少し歩くと右手ガードレールの切れ目に青い文字で「五井山へ」の立て札があり林の中に山道が続いていますが、この山道はふたたび同じ林道に下りてくるので林道をそのまま真っ直ぐ進んだ方が良いでしょう。
もうしばらく林道を歩けば、今度は道路左手に赤い文字で五井山頂を示す立て札が現れますのでここで林の中の山道を行きます。林道も結局五井山頂まで続いているのですが、仲仙寺のトイレへの道を確認するためにもここは左の山道に入った方が良いでしょう。
2分ほどで仲仙寺トイレへの分岐が現れると五井山頂は直ぐそこです。三河湾が眼前に迫るパノラマが待っています。ベンチも新調されており景色をながめながらゆっくりと青空ランチを楽しむことができます。
こちらの記事で筆者おすすめの青空ランチスタイルもご紹介していますので、ご興味があればお読みください。
尚、山頂に仲仙寺トイレの案内図があります。山頂から赤テープを辿って下れば10分ほどのところにあります。このトイレはご厚意の施設であり、必要時はきれいに使わせていただきましょう。
山頂の北側に回れば、遠く御嶽山、恵那山、南アルプスの山々も見渡せます。
下山は往路を戻ります。昨年6月の豪雨で道路、トイレなど大きな被害を受けた宮路山はいつもの風光明媚な山容を取り戻してきました。これからも四季折々に楽しませてくれそうです。
管理人山行日 | 2024年3月11日 |
内山駐車場発 | 9:40 |
内山駐車場戻り | 16:20 |