【御在所岳と湯の山温泉めぐり④】国見尾根とホテル湯の本

国見尾根「天狗岩」 おとなり山、いで湯
国見尾根「天狗岩」

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御在所岳に登るのにわざわざ遠回りとなる「国見尾根」を選択する人は少数であろう。

しかし国見尾根はゆるぎ岩、天狗岩といった抜群の展望ポイントを通過し御在所岳北面の岩場の表情を一望できる魅力あるルートだ。

御在所岳登山道の中でも人気がある裏登山道の北側をほぼ併走するような国見尾根は国見岳への登山ルートとしてばかりでなく、奇岩と展望を楽しむ御在所岳への登頂ルートにしてみるのも一興である。

ルートは訪れる人が比較的少なく、黙々と長い急登に向き合いながら静かな山旅を味わうことができる。

下りはロープウエイと決めておけば時間にも余裕ができて、下山後に湯の山温泉をゆっくりと楽しめる。

今回の温泉はロープエイ駅の目の前にあり、アクセス至便な「ホテル湯の本」を選択してみた。

この記事は「御在所岳」と「湯の山温泉」の両方を楽しみたいこんな方におすすめです。
・回り道、寄り道をいとわず静かに山歩きしたい方や長い急登で自身の体力を確認してみたい方
・高いところに登ることが大好きで景色を満喫しながらお弁当を楽しみたい方
・国見岳周辺の奇岩スポットをひとめぐりして最後はロープウエイで温泉へ直行したい方

国見尾根で奇岩をめぐって御在所岳登山

おばれ岩が傾いたニュースで近況が気になってはじめた御在所岳登山と湯の山温泉めぐりの四回目。

迂回がPRされている中道は除いて裏道、一ノ谷新道、表道、武平峠道と歩いているうちに季節が進んで紅葉の季節になってきた。

ほとんど四半世紀ぶりに訪れる山域は自然との懐かしい再会もあれば記憶も辿れないほど変化していたりと御在所岳はいつもの変わらぬ姿と新鮮な表情の両方を見せて楽しませてくれる。

今回は御在所ロープウエイ駅に車を置き、裏登山道に入って藤内小屋の先で裏道と別れたら国見尾根を歩いてルートの近況を確認してみる。

大展望のロープウエイと下山後の温泉を自らへのごほうびにしてシニア泣かせの急登にさあチャレンジ。

国見尾根(出典:国土地理院ウェブサイト・地理院タイルを加工して作成)

国見尾根(出典:国土地理院ウェブサイト・地理院タイルを加工して作成)

裏登山道で藤内小屋へ

出だしは【御在所岳と湯の山温泉めぐり①】で歩いた裏登山道で藤内小屋までアプローチする。

ロープウエイ駅舎脇から階段を降りて舗装路を進むと裏登山道一合目の道標に出る。

道標から階段を上がり、お不動さんの脇を回った先の分岐で右へ下りて三滝の一つ「蒼滝」に向かう。

裏登山道1合目

裏登山道1合目

蒼滝その後

前回9月8日に訪れたときはブヨに悩まされた蒼滝だが、今回はめっきり減っている。

蒸し暑さも収まってずいぶんと歩きやすくなった。

滝の岩肌は前回訪れたときとくらべると心なしか「蒼」色が濃いように見えてわずかに紅葉も映えていい眺めになっている。

蒼滝

蒼滝

日向小屋と藤内小屋

蒼滝から登山道に戻って日向小屋をめざす。

前回同様鈴鹿スカイラインの下をくぐり一旦車道に上がろうかとも思ったが今回はまとわりつくブヨもいないのでそのまま沢に沿って歩いてゆく。

左手からコンクリートの車道が接近してきたところで道路に上がってみた。

日差しを浴びながら少し歩けば、土砂災害のあとに高台に再建された日向小屋と巨大な格子型の砂防えん堤が見えてきた。

日向小屋と砂防えん堤

日向小屋と砂防えん堤

七の渡しで流れを渡って四の渡しで再び渡り返す。

途中で中登山道三合目への分岐を通過する。

裏道は前回歩いてからまだ二ヶ月もたっていないので登山道の記憶も新しく、わりと近かったなという印象で藤内小屋に到着することができた。

藤内小屋

藤内小屋

裏道の忘れ物を「撮り」に「天狗の踊場」、「兎の耳」へ

国見尾根へは藤内小屋のすぐ先で裏登山道と分かれるのだが、前回裏道を歩いたときに「兎の耳」の写真を撮り忘れたことが心残りでちょっと寄り道して「天狗の踊場」まで往復してみることにした。

兎の耳

兎の耳

国見尾根で体力測定!?

天狗の踊場と兎の耳への寄り道で往復30分ほど費やしてしまったが納得の再会ができた。

裏道を分岐まで戻って道標に従い腰越峠方面へと歩くと国見尾根登山道の入口に到着した。

出足から失敗の国見尾根

入口で一息入れ直して尾根を登り始めたが落ち葉が深く堆積している登山道は裏道に比べると薄暗く、踏み跡もはっきりしない。

国見尾根出だし

国見尾根出だし

ふと気がつくと目印の赤テープが見当たらなくなり、もう道を外していた。

いかん、いかんと元来た道を戻ろうとしたがすでにどこを歩いたかよく分からない。

こうやって簡単に道迷いするんだ。

登山アプリのルート外れ警告機能を使えばこんなこともないのだろうが、スマホに散歩させられているようであまり好きになれず使っていない。

GPSを使えば登山道に復帰するのも容易だが、しばらく使わずに自分の方向感覚だけで歩いてみた。

でもやっぱり登山道に復帰できずにスマホを取り出して歩行した軌跡を確認してみると自分の方向感覚と全く違っていて思わず笑ってしまった。

悔しいが登山アプリの勝ちを認めなければ。

村の境界石「界」と1004mピーク

出足の油断を反省して登山道に復帰し、今度は全身のセンサーをONにして再び国見尾根を登り始めた。

痩せ尾根に変わると登山道もいくぶん明瞭になってきたが傾斜がきつい、きつい。

今回国見尾根を登ってみれば自分の体力がどのぐらい維持できているか、それとも低下しているか分かるはずだ。

体力だめしにはうってつけである。

両手も使いながら急な斜面に黙々と向き合う登りが続き誰とも行き会わない。

「1004mピーク」まではと登ってきたがついに息がきれて届かず、立ち止まってしまった。

現在地を確認しながら立ち休憩していると初めてひとり下山してきた人とすれ違った。

お互い「きつい道ですね」と挨拶をかわし、自分より若そうな方でもきついと言うならこっちも息が上がっていたっておかしくないなと少しなぐさめられた。

ふたたび登り始めると1004mピークの手前で大岩に「界」と刻まれた展望地にでた。

旧千種村と菰野村の入会地境界を示す境界石で菰野町の町を見下ろせる。

境界石からわずかの距離で1004mピークに上がり「ゆるぎ岩」「天狗岩」が望めたが、まだまだ遠い印象でここでもう一度休憩していくことにする。

1004mピークから「ゆるぎ岩」、「天狗岩」を望む

1004mピークから「ゆるぎ岩」、「天狗岩」を望む

「ゆるぎ岩」と「天狗岩」

1004mピークで十分休憩したのでゆるぎ岩までは案外早く到着することができた。

下から見上げるゆるぎ岩と天狗岩はシルエットになって青空がまぶしい。

上に乗れば動く、ゆるぎ岩。

岩の先端に立つ勇気はやっぱり出なかった。

ゆるぎ岩と天狗岩

ゆるき岩と天狗岩

登山者は先ほどの一人に出合ったきりで他には誰も尾根を登ってこないし、降りてもこない。

紅葉の景色もこんなにすばらしいのになあ。

さっき休憩したばかりだが、ゆるぎ岩で御在所の岩肌を眺めながら青空ランチを決め込むことにした。

御在所雨量レーダー直下の岩肌

御在所雨量レーダー直下の岩肌

国見岳奇岩めぐり

きのこ岩

天狗岩にも立ち寄って国見尾根をもうひと頑張りして国見岳をめざす。

国見岳の登山道周辺は奇岩のオンパレードだ。

今回は御在所岳に向かう前に国見岳の北方にある「きのこ岩」まで足をのばして寄り道してみる。

きのこ岩はまるで大岩を養分に育ったかのようでいったいどうやってできたものだろう。

大岩の上からは釈迦ヶ岳や遠くには伊吹山まで見渡せて紅葉の景色も最高だ。

きのこ岩

きのこ岩

「マグロ岩」、「もも岩」、「石門」、「ナマズ岩」、「ゴジラ岩」?

きのこ岩から往路を戻って南下し、国見峠を経由して御在所岳山頂へと向かう。

登山道の途中には形態を呼称した奇岩が点在するが、誰かが勝手に名札を付したりネーミングしているうちにその名称が定着してしまったものもありそうだ。

登山道を歩けばあちこちに目印などがあるのでそれぞれの奇岩を訪れるのに苦労はない。

しかし中には無用な目印テープや標識までを山中に付したり、残置してあっていただけない。

ともあれ御在所岳、国見岳の周辺には奇岩、奇石が多いのは事実だ。

今回のゴジラ岩はまなこがぱっちりと大きくなり、角も二本生えて迫力が増していた。

ゴジラ岩

ゴジラ岩

変わる山上公園

ゴジラ岩からスキー場に向かって直登し、御在所岳山頂に到着。

山頂にはたくさんの観光客も訪れている。

観光客に混じって「望湖台」へ足をのばしてみたが、琵琶湖方面は霞んでいてよく見えない。

これまで望湖台へは四回通ったが琵琶湖はなかなか拝めず、一勝三敗だ。

折り返してスキー場を足早に下って山上公園を訪れてみると、新しい展望テラスとブランコの準備中であった。

ブランコは高所のテラスで鎌ヶ岳に向かってこぐ趣向となっている。

10月31日から利用できるらしい。

有料で3分間500円とのこと。

ん~、公園のブランコなんだからこういうサービスもありなのだろう。

あたらしいブランコ

あたらしいブランコ

アクセス至便、湯の山温泉「ホテル湯の本」

数ある湯の山温泉の中でも「ホテル湯の本」はロープウエイ駅の目の前にあり、ロープウエイで下山して温泉に直行するには最高の立地である。

駐車場や登山口への送迎サービスなど登山者にうれしいサービスやプランが充実している。

ロビーには御在所岳のジオラマも展示されていて御在所岳に関する情報発信にも積極的だ。

登山者にうれしい「ホテル湯の本」

登山者にうれしい「ホテル湯の本」

露天風呂と大浴場は階を隔てているので両方の湯を楽しむには一度着替えて移動しなければならないが、温泉を二度楽しめると思えばそれほど気にはならない。

日帰り温泉の受付は午後四時終了だがロープウエイで下山してくる計画なら十分間に合うだろう。

気軽に登山の疲れを癒やして帰ることができるおすすめの温泉だ。

管理人山行日 2025年10月30日
ロープウエイ駐車場発 7時50分
ロープウエイ駐車場戻り 15時40分

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豪雨災害からの藤内小屋復興の歴史は「鈴鹿・御在所岳 藤内小屋復興ものがたり」に詳しい。

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奇岩めぐりは【御在所岳と湯の山温泉めぐり①】裏登山道とアクアイグニス片岡温泉でも紹介しています。

 

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