設楽町観光協会によれば2025年の津具花祭は諸事情により中止とのことです。
毎年1月2日に白鳥神社下の舞場で開催される花祭は国の重要無形民俗文化財にも指定されていて中止の報は残念ですが白鳥山へはこの舞場を経由して訪れることができます。
特異な地質と植生により愛知県の自然環境保全地域に指定されている白鳥山は領家変成岩から成り頂上部で岩体の晶洞に水晶の結晶を産する県内でも類を見ない貴重な自然を有しています。
ハイキングコースは随所で好展望が得られ半日もあれば山麓からぐるりと山頂を回って見どころを探訪してくることができます。
白鳥山へのアクセス
白鳥山へアクセスするには県道427号を東進し白鳥神社の鳥居前で左折して町道479号白鳥線に入り坂道を上って花祭舞場直下の駐車場を目指します。
駐車場は広くはありませんが、町道が白鳥神社参道の階段下まで続いていてこの間の道端にも数台駐車できるスペースがあります。
水晶の山 白鳥山ハイキングルートの近況と見どころ
白鳥山へは白鳥神社脇から右回りでも左回りでもアプローチできます。
ここではよく登られている右回りでコースの紹介をしていますが、この場合下山ルートが急な下りになりますのでスリップ、転倒には注意する必要があります。
参考ルート(所要時間目安):
駐車場(10)→白鳥神社(20)→里見平(25)→白鳥山(5)→富士見岩(35)→白鳥山登下山口(10)→駐車場
*所要時間には休憩を含んでいません。
花祭舞場から白鳥神社へ
駐車場から車道を上がるとすぐに白鳥神社の花祭舞場です。
中国水墨画の大家、李登勝画伯による天井絵が描かれており見どころです。
車道をさらに上へ歩き白鳥山城主、後藤善心の供養塔脇を過ぎると左手に赤い太鼓橋が現れますのでこれを渡って白鳥神社へ向かいます。
長い石段と階段を上りきると境内に大ヒノキが立つ白鳥神社に到着します。
白鳥山登山口から白鳥山
本殿の東側が登山口になっていて登山道脇にトイレもあります。
登山道を進んで左へ折れて山腹に取り付くとすぐに右手からも登山道が合流してきます。
この地点が右回り、左回りの合流地点です。
今回は右回りで登るので合流地点から真っ直ぐ西へ進み小さなガレ沢と野面積みの堰堤を通り越して高度をかせいで行きます。
沢筋をもう一本横切ってさらに5分ほど登り詰めると尾根の上にあがります。
ここで方向を変え尾根に沿って登山道を北へと進むとやがて傾斜が緩くなり、あたりが少しひらけて里見平に到着します。
水晶を探しながら歩く
里見平からは目印の赤テープを確認しながら登山道を北へ進み、途中で東に向きを変えてさらに高度をあげていきます。
木立の間から南北方向に遠方の景色がちらちらと見え隠れする中をもうしばらく頑張って登ると夫婦岩、水晶岩、屏風岩と岩石の見どころが連続して現れます。
一帯では鉱物の採取が禁止されていますが、所々荒らされているところが散見され残念です。
しかし岩石には水晶ができている晶洞を観察でき、地表にも小さな水晶が落ちていたりするのであちこち探しながら歩いてみると興味深いところです。
尚、水晶岩や屏風岩のまわりは傾斜が急で切れ落ちているところもありますのでスリップや転落には要注意です。
屏風岩を過ぎると5分ほどで白鳥山山頂に到着し北側の展望が開けます。
山頂も岩の先端部は切れ落ちていますので転落には注意が必要です。
ヌタバ池、富士見岩経由で下山
好展望の帝岩と富士見岩
山頂から登山道を東へ進むと帝岩の道標が立っています。
道標の奥へと進むと眼下に津具の集落を見下ろし、大峠、平山明神山、大鈴山などの山並みも見わたすことができる好展望が広がります。
道標に戻り登山道を東へ少し下るとヌタバ池に出ます。
ヌタバ池はほんの小さな沼地ですが、周辺にルリボシヤンマを観察できる貴重な環境を保っています。
ヌタバ池の脇から赤テープを辿りさらに東へ進んだ先が富士見岩です。
富士見岩では東側の展望が広がり白鳥山山頂よりも腰を下ろすスペースが広いので青空ランチにするならこちらの方がおすすめです。
下山するには一旦ヌタバ池まで戻ります。
池の南に帰路を示す道標が立っていますので南へ赤テープと踏み跡を辿ります。
尾根筋が少し伐採されていて明るくなっており、はじめは歩き良いですが途中にある佛岩から先は急な下りが続きます。
佛岩の道標は地面に落ちていますが岩の右側へ回り急斜面を下ります。
落ち葉が深く、雪もあると余計に滑りやすいのでスリップや転倒に注意しながら下ります。
下山路の近況ですが、帰路を示す道標と赤テープが各所にあります。
下りでは足元だけに注意を取られず目印の赤テープも一つ先、二つ先と確認しながら下りれば道を外すことは少ないはずです。
白鳥山は山体は小粒ながらも稀少な自然環境が残り津具の歴史にも触れることができて展望も楽しめる秀峰です。
冬場は防寒対策と装備確認をしっかりと行い、晴天を狙ってでかければ静かな山旅を味わうことができます。
管理人山行日 | 2024年12月20日 |
駐車場発 | 12:40 |
駐車場戻り | 14:50 |